WHOの国際傷害疾病分類第10版(ICD-10)において、たばこの使用は「精神作用物質による精神及び行動の障害」に分類されました。また研究用診断基準には、急性中毒・有害な使用・依存症候群・離脱状態についても記載されています。日本では臨床的に、たばこの「依存症」としての疾患概念が確立していないため、禁煙指導やニコチン代替療法は保険適用外となっています。
F1.
精神作用物質使用による精神及び行動の障害(アルコール、アヘン類、大麻類、鎮静薬又は催眠薬、コカイン、カフェイン、アンフェタミン、その他の精神刺激薬、幻覚薬、たばこ、揮発性溶剤、多剤使用及びその他の精神作用物質の使用による精神及び行動の障害を分類)
F17.
たばこ使用による精神及び行動の障害
急性中毒:たばこの摂取に引き続いて生じる状態。意識レベル、認知、知覚、感情または行動の障害を生じたり、あるいはその他の精神生理的機能及び反応の障害を生じる。
有害な使用:健康障害を引き起こすようなたばこの使用形式。障害は身体的であるかあるいは精神的である。
依存症候群:一連の行動、認知及び身体的現象。反復使用後に現れ、典型的にはたばこ摂取を強く渇望し、使用の制御が困難になり、有害な影響があるにも関わらず持続して使用し、たばこ使用に関して他の活動や義務よりも一層高位の優先権を与え、耐性が亢進し、時に身体的状態を示す。
離脱状態:たばこを持続的に使用した後、たばこから完全に、または相対的に離脱するときに生じる、種々の性質と重症度を持つ一群の症状。発生と経過は時間的に限定され、物質の種類に関連、使用中止または減量の直前の使用量に関係する。合併症には痙攣も生じることがある。